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ポストベトナムとして注目されはじめたインドネシア
コロナ以前の2019年、日本で働く技能実習生の多くはベトナム人であった。
どの都道府県も、どんな職種もベトナム人技能実習生。。。
コロナを挟んで2024年の現在、その状況は変化してきている。
ここでは、ポストベトナムとして注目されはじめたインドネシアについて解説いたします。
候補者が集まらないので、募集条件を変えるしかない
建設の技能実習生を数多く受け入れている監理団体はこう話す
「候補者が集まらないので、送り出し機関の言うがままに年齢上限は35歳で刺青OKにしている」
「別に35歳でも今の建設業界では若手になるので、問題ないが20代の実習生と比べて日本語が全然できないので業務の指示が全く伝わらない」
「大手ゼネコンの現場が多いので、刺青がある候補者は採用できない」
10年前は日本で働くチャンスがあるのならと、どんな職種でも多くの候補者が集まっていおり
買手市場であった。
時が流れ、ベトナム人技能実習生の求人案件が増加した結果、候補者から選ばれない職種で出てきた。
その代表が「建設業」である。
失踪、暴力などの事件が多く、体力も必要とする仕事であるため
候補者たちもどうせ日本に行くなら、安全で楽で稼げる職種を選ぶようになってきているのである。
入国したらすぐに失踪した…
メディアで報道されるベトナム人技能実習生の失踪は、暴力、人権侵害、労基違反など
企業に問題があるケースばかりで、実習生の計画的な失踪については一切報道されていなく
私の感覚的には企業に問題がある失踪ケースより、計画的な失踪の方が件数は多いと感じている。
少しでも多く母国の家族に送金してもらいたいという気持ちから賃金を上げ
休日は遊びに連れて行ってあげたりしても、ある日突然失踪するのである。
そのような失踪をされた日本企業は、ベトナム人実習生から裏切られたという気持ちを引きずることになる。
計画的な失踪が増加している裏側には、不法就労者を求めている日本企業があり、不法就労のブラックマーケットが存在するからである。
失踪してから警察に捕まるまで5年間も不法就労していたベトナム人などもおり、彼らの中では失踪はリスクがある行動ではないと考えられている。
失踪の責任の所在
失踪すると解決しなくてはならない金銭問題が発生する。
企業は実習生の受入に初期費用で総額約35万円を監理団体に支払っている。
とある建設メインの監理団体の理事長はこう話す
「以前は1年未満の失踪が発生した場合、ベトナムの送り出し機関が初期費用を弁償してくれていた。
ところが、今は失踪問題が発生すると送り出し機関との連絡が途絶えてしまい、監理団体が企業に弁済せざるを得ない。送り出し機関は候補者から手数料を貰っているのでプラスであるが、我々はマイナスでしかない。ビジネスとして成立しない。」
そのような背景から、ポストベトナムとして注目されはじめてきたのがインドネシアです。
POINT 1
インドネシアは広すぎ、日本から遠い国である
GoogleMapなどでインドネシアの地図を見ると大小の島から構成されている国であることはお分かりになると思いますが、実は国土面積は日本の5倍の大きさで、首都のジャカルタがあるジャワ島の東西の距離は本州の2/3もあります。
ジャカルタからリゾート地として有名なバリ島までの直線距離は4600km!
北海道から沖縄までの距離よりも遠いんです。
これで、読者の皆さんはようやくインドネシアって広いんだとご理解いただけたかと思います。
インドネシアへの玄関口はスカルノハッタ国際空港となります。
ベトナム⇔日本間は成田、羽田、セントレア、関空、福岡と各地で直行便が就航しておりますが、日本⇔ジャカルタ間の直行便は羽田、成田のみとなります。
フライト時間は約8時間となります。日本⇔ハノイ間のフライトに慣れている日本人の方がはじめてジャカルタにお越しになると「
インドネシア遠いわー、飛行機疲れるね。
」全員必ずとおっしゃいます。
スカルノハッタ国際空港からジャカルタの中心エリアまでは30Kmほどなのですが、日本からいらっしゃた皆さんが到着する夕方の時間は渋滞ラッシュとなり、30Kmの移動に2時間以上時間を要することがザラです。
日本を発ってジャカルタのホテルにチェックインするまでに半日、到着日は皆さんグッタリです。
POINT 2
ジャカルタからの送り出し機関までの移動距離
首都のジャカルタは高層ビルが立ち並び、ぱっと見ハノイやホーチミンよりも発展している印象を受けます。
テナントの不動産価格やスーパーなどの日用品の物価は日本とそう変わりありません。
ジャカルタで働くインドネシア人は日本円で10万円近くの給料です。
そのため、首都であるジャカルタに本社がある送り出し機関が非常に少なく、多くの送り出し機関は郊外の都市に本社を構えています。
ベトナムであれば、北部はハノイ周辺、南部であればホーチミン周辺に送り出し機関が集中しており、視察も面接も非常に効率よく行えますが、インドネシアではそうはいきません。
送り出し機関を選ぶ際は、必ずジャカルタからの移動距離を計算してください。
POINT 3
日本駐在員の有無の確認
インドネシアで送り出し機関の設立費用は100万円以下と安価であるため、元技能実習生たちがインドネシアにて送り出し機関の経営を行っております。
ベトナムのように部署が縦割り組織となっているような会社はまだ少なく少人数のベンチャー企業のような規模の送り出し機関が非常に多いことが特徴です。
技能実習生の実績人数もまだ合計二桁規模の送り出し機関が全体の50%以上を占めます。
小資本、実績もまだ少ないため日本に常勤で稼働できる駐在員を配置できている送り出し機関は20%くらいかと思います。
ホームページやカタログでは駐在員はいるように見えても、名前だけだったり他の日本企業で働いているエンジニアであるケースが多い為、送り出し機関と協定を交わす前には、常勤の日本駐在員がいるか否かの確認は必ず行うようにしてください。
また、日本国内にインドネシア人留学生が少ないことから、日本国内で通訳者を採用するのは非常に難しいということも念頭に置いていただきたい内容です。
その他にも選ぶポイントはありますので、ご興味がある監理団体様は問い合わせフォームよりお問い合わせください。
大手=安心ではない
日本には約3000社の監理団体が存在し、実習生を受け入れる場合、企業は監理団体と契約を結ぶ形となります。
監理団体との契約や費用については、他の情報サイトやブログなどで紹介されてるのでここでは割愛したいと思います。では、この監理団体をどのように探すかなのですが、積極的に営業活動をしている監理団体は少ないため、多くの企業は知り合いからの紹介などで監理団体を探すことがほとんどです。
知りあいから紹介された監理団体が良い監理団体であれば問題ありませんが、優良な監理団体ばかりではないので
監理団体選びには慎重になる必要があります。
個人的には「大手だから安心」という考え方は監理団体選びに置いては捨てた方が良いと私は考えます。
小さい監理団体でも企業や実習生に寄り添い、サポートしてくれる監理団体をおススメします。
悪い監理団体と悪い送り出し機関はセットである
インドネシアの送り出し機関はこう言います。
「大手の監理団体に自分の送り出し機関から実習生を採用してほしいと営業をしたら普通にキックバックを要求されたんです。その金額は一人あたり30万円って。私の送り出し機関は実習生からもらう手数料を30万円と決めているので、監理団体に30万円のキックバックなんて払えませんと答えました。そうしたら、他のインドネシアの送り出し機関は払っているので払えないなら契約しないって」
*送り出し機関から監理団体がキックバックを受け取ることは違反です
前項でご説明したように、企業は監理団体を通じて実習生を採用します。
監理団体を決めたと同時にどの送り出し機関から実習生を採用するのか自動的に決定されます。
金儲け主義の悪い監理団体と契約すると、監理団体にキックバックを払うために高額な手数料を実習生から徴収している法律違反の送り出し機関から実習生を採用することになり、そんな実習生はかなりの確率で借金返済に追われ失踪してしまいますのでご注意ください。
トラブルは必ず発生する
日本語が通じても、文化、家庭環境、教育が異なる実習生と一緒に仕事するためには受入る企業側の努力や改革が不可欠です。優良な監理団体は企業に対して、メリットだけでなく実習生を採用する上でのリスクなどもしっかり説明しています。そして、トラブルが発生した時に敏速に駆けつけ対応してくれ、時には企業を指導することも監理団体の役割です。監理団体の事業は経験が全てです。はじめて実習生を採用する企業はほぼ間違いなく何かしらのトラブルが発生しますので、経験豊富で業界ノウハウに長けた監理団体を選ぶと良いでしょう。
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